渦流れの記述において相当に重要なスカラー関数は、単純閉曲線 $C$ 周りの循環 $\Gamma$ と呼ばれる量である。循環は速度 $\B{u}$ の線積分として次の様に定義される。
$$
\begin{split}
\Gamma = \oint_C \B{u}\cdot \diff\B{s}\qquad(1)
\end{split}
$$
曲線が縮約可能(流体外に出ることなく一点まで連続的に収縮できる)であるとき、ストークスの定理から、上の線積分を、以下のように渦度に関する面積分に変換できる。(閉曲面 $S$ を貫く渦度の流束とも言い換えられる)
$$
\begin{split}
\Gamma = \oint_C \B{u}\cdot \diff\B{s}=\iint_S \B{\omega}\cdot\B{n}\diff S\qquad(2)
\end{split}
$$
議論の一貫性を保つため、さしあたり循環をとる方向と面への法線方向について何らかの取り決めが必要であろう。ここでは、右ねじの関係を仮定するとしよう。
さて、ある閉曲線内において循環が $0$ となったなら、渦度も消失した(=渦無し流れ)と言えることを式(2)は教えてくれる。領域が単連結な場合、この逆も真である(=渦度が $0$ なら循環も $0$ )と言えるが、考えている領域が多重連結の場合は、必ずしも成立しないことに注意が必要である。例えば、トーラス周りで渦無し流れであったとしても、トーラスの穴を通る閉曲線周りの循環は $0$ とは必ずしもならない。
循環はその保存原理(ケルビンの循環定理 §6)や、物体に作用する力との関係(クッタ揚力 §3.1)、および渦層の力学における層形状のパラメータ化変数としての用途(Birkhoff-Rott (ビルコフ・ロット?) 方程式 §8.1)で重要である。
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