MENU

5.3 非一様流中の物体に作用する力(Force on a body in a non-uniform stream)

 平行壁風洞の中心での流れは、洞壁の境界層が成長するので、正確には一様ではない。これにより中心線に沿って加速度が生じ、負の縦圧力勾配が生成される。

 一様流中の静止物体には力はないが、流れが一様でない時には物体に力が作用することが期待できる。この問題は球形粒子についてケルビンによって研究された。一般形状の物体の解析はテイラー[1928]によって与えられている(ラム[1932 §143]も参照)。一般的の場合の結果によれば、物体が流れの不均一性のスケールに比べて小さいと仮定することが必要である。すると物体近傍の自由流(静止していると仮定)は次の形で近似できる。

$$
\begin{split}
u_i = u_i^{(0)}+\A_{ij}x_j = u_i^{(0)}+u_i^{(1)}
\end{split} \qquad(1)
$$

ここで原点は物体内に取られ、$\B{u}^{(0)}$ と $\A_{ij}$ は定数で、自由流は非回転と仮定されているので、$\A_{ij} = \A_{ji}$ である。

 さらに、物体は対応する束縛渦度分布で置き換えることができて、

$$
\begin{split}
\om_{i} = \om_i^{(0)}+\om_i^{(1)}
\end{split} \qquad(2)
$$

物体に作用する抗力 $\B{D}$ については((3.7.14)または(4.1.8)も参照)、

$$
\begin{split}
\B{D} = \int_B (\B{u}^{(0)}+\B{u}^{(1)} )\times \B{\om}\,\diff \B{x} = \int_B \B{u}^{(1)} \times \B{\om}^{(0)} \,\diff \B{x}+O(\A_{ij}^2)
\end{split} \qquad(3)
$$

 上が成立するのは、$\B{u}^{(0)}$ が定数で、$\B{\om}^{(0)}$ と $\B{\om}^{(1)}$ の体積積分がそれぞれ消失するためである。(3)の積分は、物体が無限流体中を定常運動する時の見かけ運動量、したがって見かけの質量と関係している。まず、体積 $V$ 内の閉じた渦度分布に対して、

$$
\begin{split}
\int_V (x_i\om_j+x_j\om_i)\diff \B{x} = -\int_S x_ix_j\,\B{\om}\cdot \B{n}\,\diff S = 0
\end{split} \qquad(4)
$$

であることが確認でき、したがって、

$$
\begin{split}
\int_B x_i\om_j^{(0)}\diff \B{x} = \eps_{ijk}\,I_{V_k}
\end{split} \qquad(5)
$$

が、一様流中の物体の像渦度のインパルスを(3)の右辺の積分と関係付ける。$\B{I}_V$ と見かけの質量との関係は(4.2.3)から次のようになる。

$$
\begin{split}
I_{V_i} = -M_{ij}u_j^{(0)}-Vu_i^{(0)}
\end{split} \qquad(6)
$$

ここに、$V$ は物体の体積、$M_{ij}$ はその仮想質量テンソルである。流体に対する物体の相対速度が $-\B{u}^{(0)}$ であるため、負符号を持ちうる。(3)に $\B{u}^{(1)}$ を代入すると、次を得る。

$$
\begin{split}
D_i = \A_{ij}(M_{jk}+V\delta_{jk})u_k^{(0)}
\end{split} \qquad(7)
$$

これはテイラーとラムによって異なる方法で得られた結果である。さらに、自由流の加速度による圧力勾配は物体近傍で、

$$
\begin{split}
\ff{\del p}{\del x_i} = -\A_{ij}\,u_j^{(0)}
\end{split} \qquad(8)
$$

と表せ、仮に、静力学的問題として物体に作用する力を計算すると、単に $V\,\A_{ij}\,u_j^{(0)}$ となって、これは正しくないことに注意が必要である。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次