反射に対する不変性?と関連する不変量はヘリシティ $J$と呼ばれ、次のように定義される(Moffatt [1969]):
$$
\begin{split}
J = \int \B{u}\cdot \B{\om}\,\diff V \qquad(1)
\end{split}
$$
非粘性・非圧縮性流体では、単一値ポテンシャルを持つ保存力の作用を受ける孤立渦のヘリシティは一定となる。$V_V$ を、渦を含む物質体積とし、その表面 $S_V$ 上で $\B{\om}\cdot \B{n} = 0$ とし、流体が非圧縮性であるとする。このとき、
$$
\begin{split}
\ff{\diff J}{\diff t} &= \int \left( \ff{D \B{u}}{D t}+\B{u}\cdot \ff{D \B{\om}}{D t} \right) \diff V \EE
&= \int \B{\om}\cdot \B{n}\left( \ff{1}{2}\B{u}^2-p-\Omega \right)\diff S_V+2\int \B{F}\cdot \B{\om}\,\diff V_V+\int (\B{n}\times \B{F})\cdot \B{u}\,\diff S_V \qquad(2)
\end{split}
$$
と表せる。
ここに、$\B{F}$ は非保存的外力場、$\Omega$ は保存的部分のポテンシャルとする。したがって、$\B{F} = \B{0}$ の場合 $J$ は一定であることが従うことが分かる。
Moffattは、軸流れを持つ、閉じた渦フィラメントからなる流れについてのヘリシティを、構成の結び目性の観点から、解釈を与えている(Kelvin [1868]も参照)。
ある初期瞬間にて、各フィラメント内の螺旋渦線が閉じており、さらに各渦線が何らかの適切な方法で定義されたフィラメントの軸に連続的に変形できるとしよう。このとき、渦線からなる回路周りの循環 $K$ は、任意の一つのフィラメント内の各渦線で同じになりなる。
ここに、$i$ 番目のフィラメントでの値を $K(i)$ とし、その強さを $\Gamma_i$ としよう。フィラメントのヘリシティは $J_i = \Gamma_iK_i$(総和なし)と表せ、ケルビンの循環定理により不変となる。$K_i$ の値は、回路を張る表面を通る渦度の流束となる。フィラメントが結び目でない場合(すなわち連続的に点に収縮できる場合)、フィラメント自身からの $K_i$ への寄与はゼロで、その値は他のフィラメントによる表面の交差回数(代数的に数えられる)にフィラメントの強さを重み付けしたものとなる。つまり、
$$
\begin{split}
K_i = \sum_j \A_{ij}\Gamma_j \qquad(3)
\end{split}
$$
ここで、$\A_{ij}$ はフィラメント $i$ と $j$ の巻数で、正または負の整数(向きに依存)またはゼロとなる。$i$ 番目のフィラメントが結び目である場合、それ自身のヘリシティに $\A_{ii}$ の寄与をする。なお、$\A_{ii}$ は自己巻数である。このように、ヘリシティの保存は、連続変形下での巻数の保存と循環の保存と等価となる。
1つのフィラメントによる速度場は、軸に沿った線渦で近似できるため、ビオ・サバールの法則により、各フィラメントによる他のフィラメントに対する循環の表現を与える。ストークスの定理から、閉回路を通る速度流束は、閉回路周りのベクトルポテンシャルの線積分となる。$i$ 番目の線渦によって誘導される速度に対して、ビオ・サバールの法則を使用し、$\B{\om}_j \diff V$ を $\Gamma \diff \B{s}_j$ で置き換えると、次の巻数の解析的表現を得られる(ガウスによる):
$$
\begin{split}
\A_{ij} = \ff{1}{4\pi} \oint_{C_i}\oint_{C_j} \diff \B{s}_i\times \diff \B{s}_j\cdot \ff{\B{R}_i(s_i)-\B{R}_j(s_j)}{| \B{R}_i-\B{R}_j |^3} \qquad(4)
\end{split}
$$
ここに、$C_i$ は軸、$\B{R}_i(s_i)$ は $i$ 番目のフィラメントの方程式となる。(ヘリシティ不変量と位相幾何学的構造のさらなる議論については、Moffatt [1990]およびそこで引用された参考文献を参照のこと)さらに、静止から衝撃的に生成される運動に対しては(§3と比較)、ヘリシティは:
$$
\begin{split}
J = \int \B{f}\cdot \rot \B{f}\,\diff V_V \qquad(5)
\end{split}
$$
となる。
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