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5.5 回転している物体(Rotating bodies)

 ここで、物体の向きが固定されておらず、平行移動速度 $\B{U}$ に加えて、角速度 $\B{\Omega}$ で回転する可能性を考慮して、非圧縮非粘性流体中の剛体運動について考える。このとき、速度ポテンシャルは次の形を取る(重複する記号について和をとる):

$$
\begin{split}
\phi = \Phi^j U_j+\Gamma_{\A}\chi_{\A}+\Psi^j\Omega_j
\end{split} \qquad(1)
$$

ここに $\Phi^j$ と $\chi_{\A}$ は§1で定義され、$\Psi^j$ は調和関数で次を満たす。

$$
\begin{split}
\ff{\del \Psi^j}{\del n} = \eps_{ijk}\,x_k’\,n_i \quad \text{on}\,\,S_B
\end{split} \qquad(2)
$$

座標 $x’$ は物体の体積中心に対する位置である。物体の仮想運動量は、

$$
\begin{split}
\B{I}_B = \B{I}_B^j U_j+\Gamma_{\A}\B{I}^{\A}+\B{I}_R^j\,\Omega_j
\end{split} \qquad(3)
$$

と表せる。ここに、

$$
\begin{split}
\B{I}_R^j = \int \Psi^j\B{n}\,\diff S_B
\end{split} \qquad(4)
$$

である。ベクトル $\B{I}_R^j$ の成分は必ずしも対称でないテンソルを形成することに注意が必要である。

 ベクトル $\B{I}_B^j, \B{I}^{\A}, \B{I}_R^j$ は物体に固定された軸に対しては一定であるが、空間に固定された軸に対しては一定でない。したがって、運動方程式を得るには、速度と角速度を角速度 $\Omega$ で回転する軸を参照するのが最良である。外部に加えられた力 $\B{f}$ を持つ無限流体中での運動方程式は次のようになる。

$$
\begin{split}
\B{I}_B^j \dot{U}_j+\B{I}_R^j \dot{\Omega}_j+\B{\Omega}\times \B{I}_B+M\ff{\diff \B{U}}{\diff t} = \B{f}
\end{split} \qquad(5)
$$

なお、上付きドットは回転軸に対する時間微分を表すとする。

 角運動量の変化率についてもより複雑な式を得ることができるが、ラム[1932 第6章]などで議論されているように、力学運動のラグランジュ方程式を通じて一般的な場合に進む方が簡単である。ただし、物体が平行移動せず循環定数 $\Gamma$ が零の場合、見かけの角運動量は、

$$
\begin{split}
\B{A}_B = \Omega_j \int \Psi^j \B{x}\times \B{n}\,\diff S_B
\end{split} \qquad(6)
$$

である。物体が立方対称性を持つ場合、(6)の積分から生じるテンソルの係数は、単位テンソルに比例する。見かけの角運動量は角速度に比例し、定常回転を維持するのにトルクは必要ない。

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